社会と心を考える

研究します

学ぶ力

「学び」という営みは、それを学ぶことの意味や実用性についてまだ知らない状態にもかかわらず、これを学ぶことがいずれ生き延びるうえで死活的に重要な役割を果たすことがあるだろうと先駆的にに確信することから始まります。

つまり、「学ぶ力」とは、自分にとってそれが死活的に重要であるということをいかなる論拠によっても証明できないにもかかわらず確信できる力のことです。

引用:(内田樹『日本辺境論』)

   

 

 内田氏は学ぶ力とは、学ぶといいことがあるという報酬の約束で形づくられるのではなく、将来自分が生きていくうえで死活的に重要という「切実さ」が学ぶ意欲を発動させると言います。

 

 分かりやすく言えば「危機感」ではないでしょうか。

  私も実際のところ、(勉強の楽しさもあったが)危機感を原動力にして生きてきました。では、その「危機感」という内発的な動機付けはどのようにして生まれたのでしょうか

 

 それは、NHKの貧困についてのドキュメンタリー番組でした。

 

 今不確実なのにどうやって見えない未来を確信することが出来たのかというと、リアルを自分の目で見るという事でした。自分と貧困者を相対的に比較することで生まれた、「自分がどれほど恵まれているのか」という感情は、今まで見たこともなかった貧困の恐ろしさへの抵抗感や拒絶感といた感情に繋がりました。

 

 それらが危機感に繋がっていったと思われます。

 

 今、学校では